ケイウノのマイスター達K.UNO MEISTERS
Vol.2永い関係をお客さまと築く幸せ
デザイナー 浅川浩子
ケイウノでは約50名のデザイナーが在籍。お客さまの目の前でデザインを描き、ジュエリーをご提案しています。1枚2~3分程度で次々と描くデザイン画の中からジュエリーになるのは、実に年間約4万種。そんなパフォーマンスを行うデザイナーの中でも、数々のデザインを生み出し、ファンとなるお客さまも多いトップデザイナーを紹介します。
自分のためではなく、誰かのために。
女子美術大学で日本画を専攻していた私は、“流行に捉われない美しい形やバランスを追求したい”という想いから海外を25カ国以上巡り、本物の美術作品や景色を見て勉強しました。大学から大学院に進み、充実した日々を送ってはいたものの自分の想いだけで描くことへの孤独感に悩むこともありました。 「自分の能力を活かして誰かに喜んでもらえたら」「これまで学んできたことをカタチにしたい」 そんなことを考えていたとき、私はケイウノの会社説明会でオーナー自らデザインを描く姿に衝撃を受けました。真っ白な紙の上に、ものの1分程度でジュエリーのデザイン画が描き起こされるそのパフォーマンスは強い感動を与えてくれました。同時に“この会社に入りたい!”と強く思ったのを今でも鮮明に覚えています。
デザイナーの最終テストはオーナーが直接行います。フリーハンドで指輪を描くことは勿論、ジュエリーの歴史から、現在のトレンドまで幅広い知識が試されます。
さらに、豹やペンギンなどの動物から、バナナやぶどうなどのフルーツ、ありとあらゆるモチーフをすぐに描くことができるか。描き起こしたデザインが実際に作れるかどうかの考慮も必要でした。“厚みが足りない”“パーツが入らない”では話になりません。加工の知識があって初めてジュエリーの提案といえるのです。
そして、これらの試験に無事合格した私はようやくケイウノのデザイナーになることができました。
一度限りでなく、
永い関係をお客さまと築ける幸せ。
実際にお客さまの前でデザインを描くことは緊張の連続です。デザインに対して『なんか違うな…』という思いがダイレクトに伝わりますし、ご注文いただけなければそれが“答え”です。しかし、中には私のデザインを気に入ってくださり10年以上の永い付き合いとなるお客さまもいらっしゃいます。
現在私は銀座店のデザイナーをしておりますが、入社してすぐの頃は仙台店で働いていました。先日約10年ぶりに仙台店への出張があったのですが、11年前に私が結婚指輪のデザインをしたお客さまが、日程を合わせて来店くださいました。おふたりとも変わらずの仲の良さで、私はその様子に当時を思い出しながら結婚10周年記念のネックレスをデザインさせていただきました。
このように一度で終わらない永い繋がりをお客さまと築けることが、ケイウノのデザイナーの醍醐味だと私は思います。
自分の中の正解を持ち
自信を持ってお客さまに提案する。
私がデザイナーとしてずっと心がけているのは、『常にお客さまにベストだと思うご提案をする』ということです。
例えば関係の長いお客さまの場合、お持ちのジュエリーや今までケイウノで作られたジュエリーを可能な限りファイリングしていますので、お客さまご自身にそのファイルを確認いただきながら、「このジュエリーと一緒に着けるのであれば、こちらのデザイン」「カジュアルなお休みの日、セーターに着けるのであればこちらのデザイン」など、お客さまのファッションや生活スタイルに合わせて具体的に提案します。
あらゆる視点から提案できるように準備をし、自分なりの答えを見つけて接客するよう心がけています。そのために “通勤中の電車で座れた時は、次の駅までテーマを決めて何個アイデアを出せるかノートに描く”“美意識を磨くために、映画、歌舞伎、ジュエリー店めぐり、ブランドのイベントなど、どれかひとつは必ず月1で行く”“美容院に行ったときは、置いてある雑誌に全て目を通してトレンドのチェックを行う”など、デザイナーとして日常的にトレーニングを行っています。
また、店頭のジュエリーを実際に自分で身に着けたり、スタッフに身に着けてもらい、体格や身長、指の形、耳の形など、ジュエリーと外見の特徴がどう作用するのか研究しています。
事前準備をしていても、ご提案時にお客さまの新たなご要望や発見が出てくることもあります。その時は柔軟に目の前にいるお客さまを見て考え、様々なお話を楽しくしながら、お客さまに合わせた提案をするよう努めています。
原動力は、お客さまからの期待。
私はケイウノのデザイナーとして働いていて、常々思うのは、「やっぱりお客さまと直接会ってお話しするのが好き」ということです。
人それぞれのユニークな個性を感じて、デザインするのは本当に楽しいです。お客さまと一緒にデザインを考えて盛り上がったり、モノづくりの過程を楽しめるのは、お客さまの前でデザイン提案を行うケイウノのデザイナーだからこそだと思います。
デザインを楽しみにしてくださる、永いお付き合いのお客さまたちに支えられて今の私があるのだと強く感じています。そうしたお客さまたちの「期待に応えたい」という思いが 私の“原動力”になっています。